非常勤医師(アルバイト医)の有給休暇

フリーランス医師の作り方

非常勤契約にて勤務する医師でも、その勤務が週1日以上の定期的なものであるならば有給休暇を取得することが認められています。常勤医が週1のアルバイトに行っている先の施設でも、ある程度の勤続勤務期間があれば有給休暇を申請することが可能です。

実際に私も週2日の勤務 ✕ 2つの施設から(1施設あたり)5日/年の有給休暇を頂いており、実際にスポーツ帯同業務などで働けない日や夏休みを利用して、有給休暇を申請しています。収入が不安定になりがちな非常勤医にとっては、その恩恵は絶大なものがありますね。

とはいえ、医師の世界における福利厚生では非常勤医の有給取得というのは未だに一般的でないというのもまた事実ですので…今日はそのあたりの事情について、少し掘り下げてみることにしましょう。

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(定期)非常勤医師の有給休暇

半年以上勤務を行えば、非常勤でも有給休暇が付与されます。週1日勤務の非常勤だと1日/年、週2日の非常勤では3日/年の有給休暇を取ることができます。ちなみに、2年が経過すると時効となってしまうため、注意が必要です。

一般的には有給休暇の取得理由は不問であり、時期も自由に取れるのですが…医師という職種の特異性・希少性を考慮すると、時期については早めに打診を行い、代診や休診の手配を行うことが望ましいと考えます。(これは法律的なものではなく、社会人としてのマナーとして、とお考えください)

有給休暇支給額の決定方法

以下の3パターンがあります。

  • 通常賃金
  • 平均賃金 
  • 標準報酬日額

通常賃金の場合には、日給がそのまま保証されます。一般業界ではこのパターンが最も多いようですが、非常勤医師の時給は一般業界はもとより、常勤医師よりも高いものなので…個人的には通常賃金を保証しろ、というのは少し無茶ぶりかな?とも感じています。

平均賃金の場合には、「日給の60%」または、「3ヶ月間の給与合計÷3ヶ月の暦日数」のどちらかになります。雇用者との交渉のうえ、前者・後者のうち高い方を採用するという形が一般的です。ちなみに標準報酬日額による金額も、平均賃金における後者の方法とほぼ同じ額になるのでしょう。

私個人の契約内容としては、通常賃金の支給という形にしてしまうと休みを取ることを言い出しづらくなる、という弱めのキャラクターであるため、入職時の契約交渉において平均賃金による金額決定を申し出ています。

平均賃金を算出したところ、前者だと貰い過ぎ感が出てしまう一方、後者だと逆に物足りない感が出てしまいます。法律的には金額の高い前者を採用するべきなのですが…労使交渉の結果、有給休暇は60,000円/日という両者の間を取った金額で落ち着きました(笑)

注意が必要なケース

まだ、非常勤医師の有給申請が一般化されていない医療の世界では、雇用者にとって有給の権利を振りかざす医師というのは扱いにくい存在です。以下のケースでは「合法的な契約非更新」という形により自らが不利益を被るリスクがある、ということを心に留めておきましょう。

人気が高い案件の場合

給与、仕事量、拘束時間…といった様々な条件により人気が高い案件は、余計なことを言わない従順な(無知な?)医者を後継者としてピックアップできる可能性も高いです。

雇用先からの自らの評価がどの程度なのか?有給の交渉が有利に進められるか??という相対的なパワーバランスを客観的に評価した上で、交渉に臨みましょう。

医局派遣の場合

大学病院勤務などに代表される医局派遣の外勤先には、(関係各位への恩義込みで)収益性を無視した高待遇で雇ってくれているという場合が多々あります。

私も医局にいた時に、
「大学のスタッフだから相場の1.5倍出してやってんのに、〇〇の勤務態度は…」
といった、外勤先のドクターの愚痴をよく聞いていました。

特に後期研修医〜10年目くらいまでの医師の場合には、自らの収益性がどの程度なのかということを理解するとともに、派遣元との関連性を考慮しながら交渉を進めていきましょう。

医師自身の「収益性」が不足している場合

非常勤医自身の売り上げや集患力自体が不足している場合には、有給休暇の交渉がうまく行かないケースがあります。

病院側にとって医師が有給休暇を取得するということは、非常勤医師の給料支出に加えて、病院の売り上げ収入が得られない、という行って来いの往復ビンタを喰らう立場であるということは、理解しておかなくてはなりません。

施設の常勤医が有給休暇の権利を行使していない場合

残念ながら…病院によっては医師に限らず、どの職種も有給休暇を取りづらい雰囲気という施設は少なからず存在します。

常勤医ですら取っていないものを、非常勤の立場で取れるわけはないですよねf^_^;
(物理的にも、心情的にも)

まとめ

非常勤医師の有給休暇についてまとめてみました

医療の世界における福利厚生では、まだ一般的とは言えない事象だけに…非常勤勤務施設内での自分の商品価値を客観的に把握し、雇用者とのパワーバランスをとりつつ交渉を進めることをお勧めします。

交渉の材料として、有給休暇における支給金額のさまざまな決定方法を紹介いたしました。権利の主張と自らの価値を天秤にかけつつ、権利を行使するようにしましょう。

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