医師と相性の良い『マイクロ法人』について

フリーランス医師の作り方

こんにちは。フリーランス整形外科医(@orthfreelancedr)です。

フリーランス医師に限らず、医師はマイクロ法人を利用することによって、社会保障や資産形成における大きなアドバンテージを得ることができます。

私自身も橘玲氏の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」や、坂下仁氏の「いますぐ妻を社長にしなさい」といった著書でその威力を学んだことからマイクロ法人を設立し、それを介して様々な物事を有利に運ぶことができました。

この記事ではその『マイクロ法人』とその効能について、まずは超ざっくりとした総論の話をしていきます。

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マイクロ法人の作り方

法人を設立する方法は至って簡単であり、法人の名前と住所、目的(定款)を法務局に届け出て、登記するだけで設立作業は終了です。合同会社であれば自分でやったら7万円くらいですみますし、司法書士さんに丸投げしたとしても10〜15万円あればお釣りが来るでしょう。

法人の種類もいろいろありますが…合同会社、または株式会社のどちらかをオススメしておきます。この2つの詳細比較については、参考記事をどうぞ。

個人収入の圧縮

税率&経費投入

マイクロ法人の利点として最もわかりやすいのは、医師レベルの収入であれば…個人より税率が低いということです。

以前も例に挙げたように、個人で1800万円以上稼いでいる人(税率40%)が原稿料50,000円を個人にそのまま入れたとしたら手取りは30,000円ですが、これを法人(税率15〜24%)に入れた場合には手取りが38,000〜42,500円と増加します。

また、この50,000円を稼ぐのに必要な経費があれば、その分を税金から割引いて収益を上げることで運用利回りを向上させることができますし、医師として必要なものを購入した場合はもちろんのこと、日常生活にリンクするものを部分的に経費化することも可能です。

個人と比較して、法人には様々なものを経費化して利益を圧縮できる、というメリットがあります。

とはいえ、ここで圧縮できるのは医師として診療で稼いだ給与以外、いわゆる雑収入の部分になることに注意しましょう。

医師給与を法人に入れ、経費を入れて圧縮するということは法律的にかなりブラックですし、問題となった際には非常に厳しい結果となりますので…あくまで講演や執筆、サイドビジネスで得たお金が対象となります。

小規模企業共済

マイクロ法人の役員・社員になることで、小規模企業共済が利用可能となります。この共済は月額1000〜70,000円の積立が可能なのですが、この積立金全額が個人の所得から控除されるため、仮にMaxで積み立てたとすると年間84万円の所得控除が受けられ、年収1800万円を超える人なら年間34,4万円、年収1200万円を超える人なら年間26.6万円の手残り増加となります。

夫婦共稼ぎで共に加入した場合には、当然その節税効果も2倍となりますので、ダブルインカムの医師には特にオススメの一品です。

また、直近5年間における積立金の平均運用利率は2.74%であり、銀行に入れておくよりその利回りは高いため、貯金または積立定期預金の感覚で利用するということも可能です。

積み立て開始後20年を経過しないと元本割れをするという点には注意が必要ですが、節税効果を加味すれば、気にならないレベルであると考えます。

実際には高齢になって受け取る際にも税金はかかるため、「税金の繰り延べ」という意味合いでもあるのですが…退職金として受け取る形にするか、自分の給与が下がった状態で数年に分けて年金代わりに受け取ることで、節税効果を発揮します。

公的健康保険

医師の給与レベルは非常に高いため、国民健康保険/社会保険(協会けんぽ)ともに、最大またはそれに近い額の月額保険料を支払っている人がほとんどであると思います。

医師であれば自分で開業するかクリニックで非常勤勤務をしていれば医師国保にも加入できますが、それでも月額34,400円+扶養一人につき15,400円の月額保険料がかかりますので、決して安いものではありません。

そこで、自らのマイクロ法人において自分への給与をコントロールしつつ協会けんぽに加入する…という状況を作り出すことで、保険料を劇的に圧縮することが可能となるのです。

仮に月給を10万円に設定すれば…個人では月4820円の保険料となりますので、最高料率と比較すると、月額で60,000円以上の減額となります。これについては完全に法に則ったやり方なので、デメリットはほぼなく、強いてあげるとすれば将来の年金受給額が下がる可能性があるくらいですが…これについても納付期間の累計納付額が将来の受給額とリンクするため、15年程度にわたって高額の社会保険料を納付していれば、ほとんど影響がないはずです。(そのうち、このあたりを計算して掘り下げた記事を書いてみます)

ちなみに、私自身は確定申告における個人年収は維持しつつ、勤務医時代と比較して社会保険料を(年金と合わせて)年間180万円以上圧縮することができました。

副業とのリンク

法人を所有していると、副業(またはスタートアップ事業)において非常に有利です。事業が大きくなってからの法人化というのは非常に煩雑ですし、万一損失を出して撤退する場合にも…法人であれば10年間赤字を繰り越せる、という税法上のメリットがあるからです。

また、不動産投資との相性もなかなか良好です。

高資産価値&低利回りの物件や、土地建物比率で土地部分が高い物件を所有する際、医療系事業を行う(定款を有する)法人で所有することで、医師スキルおよびキャリア形成に必要不可欠な書籍や物品、学会出張などの経費化が可能となるためにBTCFとATCF(※)の差が圧縮され、無駄な出費無しで不動産投資におけるキャッシュフローを改善することができます。
※BTCF:Before Tax Cash Flow ATCF:After Tax Cash Flow

まとめ

フリーランスに限らず、勤務医にも相性が良い『マイクロ法人』を紹介しました。

法人を利用することで、個人収入の圧縮や社会保険料の負担を軽減することができ、年収の手残りを増加させることが可能です。

個人の副業や雑所得による収入が大きい場合には、法人設立により医師として必要不可欠な支出を経費として計上することが可能となるため、マイクロ法人の設立が非常に効果的です。

コメント

  1. 中村郁也 より:

    はじめまして。いつも先生のブログ楽しみにしております。今現在自分がまさに合同会社を設立しようと考えておりますが、決算期はいつにしたらよいでしょうか?勤務医としての節税効果ももちろんですが、個人事業主としてスモールビジネスも行なっております。お忙しいとは思いますが、ご教授いただければと思います。

    • フリーランス整形外科医 フリーランス整形外科医 より:

      コメントありがとうございました。
      私自身は今まで法人の決算期については特に気にしたことはありません。
      もし不動産を購入して消費税還付を狙うのであれば、決算期の設定が色々と影響をおよぼす可能性もありますが…法人の赤字は10年に渡り繰り越すことも可能ですので、通常のスモールビジネスでは特に気にする必要はないと思います。ただ、その期に売り上げがない場合には、「法人住民税の均等割(7万円)」を支払う必要がありますので、その観点からはある程度売り上げを見込める時期を決算期(設立時期)とするのが良いのかも知れませんね。

      ちなみに自分は税理士さんが比較的暇と言われる6〜10月に決算となる法人が2つ、繁忙期の12月に1つという感じですが、それも狙ったわけではなく…スモールビジネスの営業開始や不動産の購入時期に合わせた結果、そうなったというだけの話です。