大学医局に所属するデメリット

病院・医局の話

前回、【大学医局に所属するメリット】という記事を書きましたが、メリットがあれば当然その裏があるのは世の常であり、今日はそのあたりのことを掘り下げていきたいのですが…実は私自身があまりデメリットを感じたことがないので、少し偏った記事になるかもしれません(笑)

とはいえ、そのデメリットを客観的に紹介することは当然必要ですので、実際に私よりも若い世代(であろう)ドクターで、医局制度に対する深い考察をされている独太先生のブログ『僕が医師をやめるまで』の中にある記事を紹介しつつ、私個人として考えるデメリットについても幾つか挙げてみようと思います。

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大学医局のデメリット

①医局人事と病院間格差

大学病院で勤務する、市中病院に派遣される、遠隔地の勤務人事が出る、など若い頃は1〜2年毎に病院の異動があるので、ライフスタイルを安定させるのが難しくなります。そしてほとんどの場合、その人事に異を唱えることは不可能です。

私の場合は比較的小さい県の大学医局だったこともあり、関連病院は大学病院の所在地から車で1時間以内にほぼ集約されていましたが…都内の大学や北海道の大学のように関連病院が遠く離れているものがあるような医局はそういうわけにはいきません。

②給与および待遇面

医局に所属した場合、市中一般病院に加えて大学病院における勤務を行う期間が必ず出てくるのですが、大学病院は給与が低い上にアカデミックな仕事や雑務が増えるという、劣悪な環境となることを覚悟しなくてはなりません。

一般病院で同年数を勤務した場合と比較すると、給与面をはじめとした様々な面において、

「なんか損しているな…(*_*)」

という気持ちになってしまうことが多いです。キャリアパスの形成において大きな恩恵を受ける一方、そのトレードオフとしてこういった損失が有るということは見逃せませんね。

③人間関係

医局の人間関係は、教授⇒准教授⇒講師&関連病院医長⇒医局員という序列がはっきりしており、完全なるピラミッド型の様相を呈しております。王様ゲームではありませんが、

「教授の言うことは、ぜった〜〜〜い!」

であることは、日本津々浦々どこの大学医局に所属しようが、絶対に間違いありません(笑)

・抄録締切が過ぎている学会に(明後日までに抄録を作り)演題を出すように言われる
・病欠などのイレギュラーな状況で、来月から僻地病院での勤務を命ぜられる
・大学院への進学&学位取得を(半強制的に)勧められる

といった事例は、医局内では日常的に起きていることですので、これらのストレスに耐えられるような人間力&根性が必要になります。

④関連病院内格差&医局員内格差

関連病院内でも立地の違い、指導体制や経験症例数の違い、患者数や労働時間の違いなど、様々な格差があります。また、大学病院と比べると全然良い環境なのですが…公立病院と民間病院では、年俸が1000万円違う!というようなことも珍しくありません。

医局に所属するということは、自分のライフスタイルや経済的背景が医局人事一つで大きく変化してしまう、という事を理解しておく必要があるのです。

また、「できる医師」は「できない医師」に比べて融通が効く故に、貧乏くじを引いてしまうということも、よくあります。できない医師は(周囲の監視のもと)勤務人数が多い大きめの病院を転々としている一方、できる医師は若手のうちから田舎の3人体制病院で冷や汗をかきながら仕事をしているというのは典型的な医局人事あるある、です。

また、人間性に優れている(協調性のある)医師が、人格やコミュニケーションに問題のある医長が勤務している病院に派遣されるというパターンもありますし、様々な面で問題を抱えた医師が特定の病院に「幽閉」されるというのもまた、大学医局ではよく見る光景です。

フリーランス医師の活動に妨げとなった部分

では、これらのデメリットがフリーランスとして活動するにあたって妨げになったのか?と言いますと…個人的には特にありません。

ちょうど医局にいた時期(1年目〜10年目)は今のようにワークライフバランスや将来のビジョン、キャリア形成といった事に対して無知だったので、ロボットのように日々をこなしていました。

それが故にデメリットとして印象に残っていないのでは?という可能性も大いにありますが、それを差し引いても今の活動において特にマイナスとなったことはないように思います。

次回予告

この2回にわたって、私個人が感じてきた医局のメリデメを紹介する記事を書きました。次回はこの連載企画?の最終話として、

【大学病院と市中病院 それぞれのメリット】

というテーマにつき、考えてみようと思います。

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