フリーランス医師に最も大切なこと

フリーランス医師の作り方

フリーランス生活となり早2年が過ぎようとしておりますが…非常勤医師として働く際に最も大切な能力というのは、医者としての傑出した能力ではありません。

最も大切なのは、自分の勤務環境を支えてくれている人たちとのコミュニケーション能力と礼儀および社会的常識であると感じています。

そして、そのコミュニケーションの中でサポートに対する感謝をしっかりと伝え、その感謝を医師としての行動で具現化し、その行動の繰り返しによって勤務先のスタッフからの信頼を得るという良い流れを作りたいものです。

例えあなたが三顧の礼をもって迎え入れられた上で働いている立場であったとしても、自分が与えられるメリット以上に周囲からのサポートを受けている、という自覚を持って働きましょう。

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社会人としての常識を身につける

最低限の礼儀とコミュニケーション能力、社会的常識を身につけて仕事をします。

こんな事をわざわざ書くのも、医師は社会人としての基本能力が低い人が散見されるという、少々特殊な職業だからです。

・指示を出したら「お願いします」
・何かをしてもらったら「ありがとうございます」
・ミスや手違いの際には「申し訳ありません」「ご迷惑おかけしました」
・時間を守る、約束を守る、期限を守る
・人の目を見て話をする
・挨拶をきちんとする

小学生に話すような内容の羅列ですが、忙しさにかまけてこれらがおざなりになっていないでしょうか?

患者や同僚の医師、周囲のコメディカルやスタッフとの接点においてこれを実践するだけでも医師としての評価は相対的に上がりますし、そもそもフリーランスで赴任する時点で多少の先入観が入った色眼鏡で見られる可能性が十分ありますので、まずは人として常識範囲内の人間であることを示しておきましょう(笑)

また、パラレルキャリアの世界でこれが徹底できると、『先生、医者の割にはちゃんとしてるねー』というお言葉とともに、様々なものが有利に進む事が多いです。

医者は形式上の社会的信用だけは十二分に持っているため、そこに人間的信用が加われば、「鬼に金棒、マリオにスター」状態で無双できるかもしれません。

同僚医師に対して

外来・入院を問わず、自分が院内に不在の際に患者さんに対する初期対応をしてくださるのは、同僚である常勤医です。

カルテの記載をしっかりと行って患者情報を理解しやすくしておくことはもちろん、対応して頂いた際にはしっかりとお礼を言います。

また、時間が許すようであれば一般業務をできる限り手伝うことで、常勤医のストレスを軽減するよう立ち回り、外来ブースや医局の机で暇そうな姿を晒す事が絶対に無いよう心がけます。

外来が混雑していれば初診を手伝う、手術の助手に入る、救急外来患者の初療対応+必要であれば(常勤医と連携・情報共有を行いつつ)入院させておく、といった雑務も積極的に行う姿勢を見せたい所です。

また、その際には、

「患者さんが切れたので、もし宜しければ初診患者さんをこちらに回してください」
「手が空いているので、助手に入らせてもらっていいですか?」
「〇〇な状態の患者が救外に来ているのですが…入院でもOKなら入院時の指示まで出して病棟に上げますので、その後のフォローをお願いしても良いでしょうか?」

というように、必ず常勤医と直接コミュニケーションを取り、行動の許可を得るというステップを経ることを忘れずに。あくまで自分は非常勤の立場なのですから。

なお、自分の専門性が問われる場面ではしっかりと成果を出すことはもちろん、カンファなどの機会があれば周囲の医師からのコンセンサスを十分得られるようなプレゼンを行うことで、医師としての信頼を得られるよう努力します。

あとは、フリーランスとして契約上で保証されている休暇があったとしても、周囲への気遣いは必須です。

私はスポーツに関する休暇を年間2〜6週頂いていますが、それでも堂々と病院を休む事には抵抗があります。同僚の先生にとっては医師1名欠員という状況は迷惑でしかないのですから…

不在となる期間を少なくとも3〜4ヶ月前には確定させ、カンファレンスの席で不在となる理由と期間を皆様に頭を下げつつお伝えして、病院を休ませてもらっています。

いろいろ書き連ねてみましたが、様々な理由によって院内の不在期間が多いフリーランス医師にとっては、限られた勤務時間の中で周囲から認められるだけの動きをすることで、「普段頑張ってるからこのくらいの迷惑はしょうがない」「たまの不在くらいは許してやるか」というように思ってもらえるだけの、愛される?存在になることが重要だと思っています。

コメディカルや病院職員に対して

スタッフへの差し入れやお土産も大切かもしれませんが、それより毎日の接点において、社会的常識を身に着けた礼儀正しい対応ができるよう心がけましょう。

検査や処置のオーダー漏れ、指示落ちなどを上申してくれる看護師には、その漏れを拾ってくれた事への感謝や謝意⇒指示を出すことに対するお願いというコンボを徹底することです。

外来患者さんのカルテが山積みになっている、手技の際の介助の手際が悪い、自分のせいで手術がうまく進まない、夜中に些細な報告で起こされるなど、勤務においてストレスを感じるシーンは多々あります。

このストレスを周囲に発散して雰囲気を悪くすることだけは避けたいものですし、もし感情を表に出してしまった際は、自分の言動を省みて、周囲の皆に対する謝意を必ず伝えましょう。

また、院内に不在の時間が多い非常勤医師の場合、他の医師にお願いしなければならない案件が発生することがしばしばありますが…その依頼をコメディカルやスタッフを介して行うということは絶対にしてはなりません。

それを託された人が大変な思いをするだけでなく、そもそもその責任は自分自身にあるのですから、どんなに頼みづらい内容であったとしても自分できっちり完結させましょう。

電カルが入っていない施設では日々の処方箋や注射箋、毎度のリハビリ指示箋、事務職員が毎度のように持ってくる診断書といった各種書類が大量に発生しますが、この作成業務も含めた金額が自分の給与として契約書に記載されているのです。

各種書類も医師のサインと判子がなければ一銭の売上にもならない紙切れということを理解し、契約上の業務の一環であると考えて書類に向かえば、作成のストレスが軽減されるかも?しれませんよ。

まとめ

フリーランス医師にとって最も大切なことは周囲とのコミュニケーション能力および礼儀、社会的常識といった人間としての基礎の部分であると考えます。

私自身、この記事を契機として自分の態度を省みる機会を作ることができました。この気持ちを忘れずに日々の診療を行うよう、心がけたいと感じております。

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