フリーランス医師とフリーター医師の違い

フリーランス医師の作り方

『フリーランス医師の定義って??』という前回記事にて紹介しきれなかったのですが…
フリーランス医師とフリーター医師の違いについて、紹介いたします。(とはいえ、誰もがフリーランスを目指すべきとは思いませんし、優劣を論ずる意図もございません)

「フリーランス医」を定義していましたけど…実情はただのアルバイトと一緒だし、ただの「フリーター医」じゃない?何が違うの??

働き方だけを見るとその通りかもしれませんし、私も最初そう思いました。ただ、フリーランス医とフリーター医の間には、職務の内容に決定的な違いがあります。

この本にはその違いや背景が詳しく紹介されているので、フリーランスという働き方を検討している医師は、目を通しておくことををおすすめします。

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「フリーター医」と「フリーランス医」の違い

いわゆるフリーランスの医師は、2種類に分けられる。「医師免許があれば誰でもできる」仕事を扱うフリーター医師と、『ドクターX』の主人公のような「専門医としてのスキルを売る」フリーランス医師である。

筒井 冨美. フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書) . 光文社.

私のイメージするフリーター医師は、毎週末の病院日当直バイトだけで生計を立てていたり、医師転職サイトの求人によって、日々働く場所を変えながら生計を立てているような働き方をしている医師です。

その一方フリーランス医師は、2〜3箇所の場所において毎週〜隔週くらいで定期的に勤務を行い、専門的な手技・手術や専門外来を行っている、というイメージです。

筒井先生の著書を引用させて頂きました。
この2文を読んだだけで、全てを理解できる先生は多いはず(笑)

フリーター医師

職務内容

後期研修医以降の医師であれば、「誰でもできる」一般業務であり、
・予防接種や健康診断、透析管理
・一般外来
・寝当直(外来患者や入院患者の対応がほとんどない、暇な当直)
などが挙げられます。

業務が単調なためモチベーションの維持は難しいと考えられますが、身体的&精神的ストレスも低く、自らが負う責任も小さくなるため、費用対効果の面では悪くない仕事です。

待遇

寝当直で3〜5万円/泊、一般外来は8〜10万円/日というのが(地方都市)整形外科のバイト相場だと思います。予防接種や健康診断では1日単価が6万円程度まで下がるケースもあります。

業務のハードルが低く、医師転職サイトにも求人情報が広く流れているため、後期研修医や他科医師との競合が起きやすいとされています。また、仕事単価の高い案件は医局内や仲間内で継承されていくことも多く、新規の良い求人を見つける努力が日々必要となります。

今後、フリーター医師の増加や患者数の変化、保険点数の改定、国の医療費削減方針等により、医師の負担が少ない業務内容の仕事単価が低下する可能性があるため、収入維持に必要な仕事量の増加リスクが懸念されます。また、医師スキルやモチベーションの停滞によって、常勤医への復帰が難しくなるケースも出てくるでしょう。

とはいえ、フリーター医師といえども、週4日働けば1400〜1800万円の年収は確保できるので…仕事や責任のストレスを考慮すると、常勤と非常勤のアービトラージを最大限に活かした働き方なのかもしれませんね。

フリーランス医師

職務内容

専門性の高い分野において、更に高度なスキルを要するものが中心となり、
・専門性の高い検査手技または手術
・専門外来
などが挙げられます。

都道府県基幹医療施設に準ずるレベルの医療施設で、各診療科の中でも更に1段階細分化された特殊専門領域の診療ができる、という医師スキルが求められます。

求められるハードルは上がりますが、自分の興味のある仕事に注力できるという点において、医師にとっては非常にやりがいのある勤務内容となります。

また、個人的には…オールラウンダーである医師や、集客&売上に優れている医師なども、高いスキルを持つ医師として当てはまると思います。

簡単に言うと、『様々な分野で傑出した能力』を持つことは医師スキルの一つの表現型であるため、フリーランサーの資質を十分に有しているのではないでしょうか。また、傑出した能力までには至らずとも『平均より優れた複数個の能力』を持つことも同義であると考えます。

待遇

一般には半日5〜6万円、1日10〜12万円(時給12,000円〜15,000円)が平均的な給与レベルになります。手術や特殊検査を行う場合には時給単価が上がったり、インセンティブが付く場合もあるでしょう。

フリーター医師の項目で紹介した「一般的な」業務とは異なり、他科の医師が参入してくることは不可能です。また、各専門科においても要求されるレベルを満たす医師の絶対数は少ないため、雇用ニーズは将来的にも安定していると予測されます。更に自分の好きな領域に注力できる環境で勤務することになるので、専門領域を突き詰めたい医師にとっては、精神的なストレスおよび体力的な負担が軽減されるでしょう。

また、このように「特殊な」医療求人については現状のところ医師転職サイトでは対応しきれておらず、求人市場の一般化・自由化に至るにはまだ時間がかかると予測されるため、仕事単価も(10〜15年程度は)維持されるのではないでしょうか。

そしてフリーランスが持つ最大の優位点は。。。専門性というエッジの効いたスキルを持つ事で働き方の選択肢を増加させ、環境変化への対応力が大幅にアップするという点です。

リカバリーショットとしてフリーランスからの離脱➔常勤医への復帰という事が可能というのは、フリーランサーとしては最大のリスクヘッジなのですから。

まとめ

フリーランス医師とフリーター医師の違いについて考えてみました。

フリーランス医師とは、専門性や万能性、集客性などの様々な分野における医師としての傑出した能力(医師スキル)を持ち、そのスキルを評価に反映させた好条件の非常勤契約に基づいて医療活動を行う医師、と定義してみました。

フリーター医師は労働効率が低く、将来にわたり高収入を維持するためには体力面の負担も大きくなるなどのリスクも予測されるため、将来的な医師労働環境の変化には注意が必要ですが…仕事に対するストレスやリスクに対するコストパフォーマンスの面では優れた働き方であると考えます。


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