フリーランス医師の出口戦略

フリーランス医師の作り方

こんにちは。フリーランス整形外科医(@orthfreelancedr)です。

現在フリーランス医師は常勤/非常勤の待遇差におけりアービトラージの恩恵を受け、医師にとって有利な雇用条件のもとで自由な働き方を選ぶことが可能ですが、今後この状況がいつまで続くかはわかりません。

医師紹介会社および医師転職サイトの充実により非常勤&スポット勤務の間口が広がった結果、一般健診や寝当直の雇用条件が日々悪化しているのは周知の事実ですし、国民皆保険の破綻、専門医制度の動向、地方における医師集約化の動きなどによっては、非常勤医が割を食う事態に陥る可能性は非常に高いと考えられます。

また、医師個人を取り巻く家庭環境・生活環境の変化によって、フリーランスという働き方が最適解とならない状況も当然あります。結婚や出産、子供の成長により家庭収入と必要経費のバランスは日々変化していきますので、自身の雇用形態や労働時間をその都度調整する必要があるでしょう。また、自身の加齢やモチベーションの変化に伴い「稼ぐ力」が衰えることで、ワークスタイルを変えざるを得ないというケースも十分予想されます。

僕自身が『次の冬季五輪が終わるまで』という時限でフリーランスという働き方を選んでいるという背景を持ち、フリーランス医師の賞味期限と出口戦略については常々気にせざるを得ない立場なので…今日はそのあたりについて書いてみようと思います。

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賞味期限

収入の多寡を気にしなければ特に期限はありませんが…常勤/非常勤のアービトラージが薄まり、フリーランスを卒業するべき時期を『賞味期限』とするならば、
・医師自身の年齢や能力
・医療を取り巻く各種背景

・自身の環境変化
の3つが、それを決定づける要因として挙げられます

医師自身の年齢や能力

手技系の医師の場合にはスキルに対して対価が支払われるとともに、手技に対するインセンティブがつくケースが多いので、『賞味期限』は自身の体力や技術レベル維持がどの程度までキープできるかに関連すると考えています。(個人的には)50代後半という数字が一つの目処になると思っているのですが、その数字には個人差がありそうですね。

しかし、外来を中心とした診療で稼ぐのであれば、体力や技術より経験値の方が相対的な価値は高くなりますので、自身の年齢や体力というのはあまり気にする必要はなく、能力を維持するモチベーションに依る部分が大きいと考えます。

医師を取り巻く各種背景

まず、診療報酬改定を介した医療費の引き締め、国民皆保険制度の崩壊リスクなどの医療経済的な背景が存在します。5〜10年でこれらの背景が劇的に大きく悪化することは考えにくいですが、この環境が好転するとも考えられないので…いずれ行き詰まる時が来るというイメージは持っておくべきです。

また、診療科目や専門分野によってはAIの進歩や電子化といったテクノロジーの進歩によって雇用形態・労働形態が大きく変わる可能性がありますので、やはり自らの賞味期限に大きく関わる可能性があります。

また、学位や専門医を持つ医師にとっては【資格価値】が上昇することで、常勤としての勤務待遇や人的価値が、非常勤と逆転する可能性もあります。

これは、施設認定基準において資格を有する人員の確保が必要な場合や、アカデミックな医療施設/公的医療施設などにおいてポストに就く際に学位を要する場合などが挙げられますが、このようなケースも常勤に転向すべき適切なタイミングと言えるでしょう。

自身の環境変化

結婚や出産、子供の自立などのイベントに伴う家族構成の変化により、必要な収入や余暇時間が変化することはいうまでもありません。また、自身のキャリアデザインにおけるニーズの変化により、勤務形態を検討せざるを得ない場合も往々にしてあります。

環境変化のタイミングというのは予期できるものとできないものに分かれますが…いずれにせよフリーランスよりも常勤の勤務形態のほうが望ましいシチュエーションというのは必ず存在するので、その変化が起きるタイミング≒賞味期限と言えるのかも知れません。

出口の形

フリーランスからの出口としては、
常勤への復帰
セミフリーランス医への転向
・開業
の3つが挙げられます。

常勤への復帰

経済的な面に加え、社会保障の面においても安定した形と言えるでしょう。時間的自由を求める必要がないのであれば、最も良い形となるはずです。ただ、労働時間や労働負荷をコントロールすることは困難であることに注意が必要です。

とはいえ、フリーランスの人間を初見で雇ってくれる施設は限られてきますので、自分が勤務する非常勤施設の中で常勤先を探すというのが現実的な選択肢となります。理想に近い勤務環境や好条件が引き出せそうな候補がある場合には…将来の常勤に備えて(自分の価値を高めるための)戦略的な立ち振る舞いが必要があります。

セミフリーランスへの転向

以前お話した、
【メイン常勤(2〜2.5日)+定期非常勤(1〜2日)】
という形の「セミフリーランス医」として働くという選択肢です。

突き抜けた収入や自由時間を得ることは比較的難しいかも知れませんが、安定性と自由度の按分を個々の現状に合わせてモディファイできるというのが最大の利点となります。

開業

開業前の資金調達のためにフリーランスとして勤務するケースは多いと思いますが、開業地域における各種医療機関での人脈作りという面でもフリーランスの立場で複数箇所の医療施設で1〜2年にわたり勤務するという戦略は有効です。

究極の出口戦略

ちなみに、絶対負けない究極の出口戦略とは…
『フリーランスとして効率良く収入を得る⇒それを効率よく運用する⇒圧倒的な個人資産を形成する⇒医師の仕事を副業にしてしまう』
という流れです。

ちょっとズルい?気もしますが、フリーランスのアドバンテージを時限的に活かすという観点からはもちろん、【いつクビになっても大丈夫】というメンタルで医師の職務に向き合えるというのは、どんなフリーランス医師よりも自由度の高い働き方だと思っています。

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