フリーランス転向に伴う環境変化【その①】

フリーランス医師の作り方

前回の記事ではフリーランス医師が得られる自由についてお伝えしましたが、その自由を得るに伴い、自分に起きる?降りかかる??環境の変化について、知っておくべきものを列挙しました。

記事を書き始めたら意外と文字数が多くなってしまったので…まず今回は社会保障の分野のみにポイントを絞って、紹介をさせて頂きます。

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社会保障

社会保障を失うということは決してありませんが、社会保険の加入先が変化するため、制度そのものを良く理解し、社会保険(+個人保険)の内容を検討した上で、自分に最も適した保険加入の手続きを行う必要があります。

健康保険

勤務医であれば、自動的に社会保険(組合健保 or 共済健保:私立病院)か共済保険(国家公務員共済組合 or 地方公務員共済組合:国公立病院)に加入していますが、フリーランスの場合にはそれらを自分で準備する必要があり、その選択肢としては国民健康保険、自身設立のマイクロ法人における社会保険、前勤務先社会(共済)保険の任意継続、医師国保などが選択肢に挙げられます。

その選択および手続きは煩雑ですが、フリーランスとなるタイミングで各種条件を調整することにより、支払保険料における金額的な負担を軽減することも可能ですので、必ずしもデメリットというわけではありません。

各種社会保険の比較という面では保険料の差はもちろんのこと、雇用形態や収入、家族構成などによって大きな差が出ることから、フリーランス医師にとっては人生の重要な分かれ道となる大切な選択となります。

個人的には【マイクロ法人から最低限の給与を受け取りつつ社会保険に加入】という形が、フリーランス医師にとって最もメリットのある形だと考えています。その理由と詳細はいずれ別稿にて紹介する予定です。

年金

一般的な社会保険&共済保険の場合には、国民年金に加えて厚生年金というプラスα分も保険料を払っています。これが国民保険に切り替わった場合には、将来的には国民年金部分しか支払いを受けられなくなるので注意が必要です。

とはいえ、国民保険には厚生年金部分を補う個人型確定拠出年金という存在もありますので、その理解と手続きを行うことが重要となります。

また、日本の年金制度自体を信用するべきではない、という考えの人は、個人年金も並行して積み立てるといった戦略を取るべきです。

雇用保険

そもそもフリーランスを目指すような医師であれば使うような縁はないと考えられる保険ですし、通常の勤務医や開業医であってもまず不要なものなので、無視してもOKだと思っています。

とはいえ、雇用保険についてもマイクロ法人を所有していれば小規模企業共済という制度を利用して、節税と積立を同時に行うことでその代替とすることができます。

国保の場合には、残念ながら代わりとなる手法がありません。コストは掛かりますが、民間の医師所得補償保険に加入するというのがセーフティネットとなり得るくらいでしょうか?

ちなみに、一般保険会社の販売商品には、雇用保険そのものに代わる存在というのは見当たりませんでした。民間の商品が存在しないという点を深読みすると、雇用保険というのは公的保険の中では格段に「お得な」保険ということなのでしょう。

医師が失業保険に頼るというシチュエーションは、国民皆保険制度や医療制度が破綻したさらに先のタイミングになりそうなので…今のところは気にする必要はないでしょう。

ちなみに、政府がフリーランサー対応の「失業保険」を創設するという話も出てきているようですね。(話が進んでいる感じはあまりしないのですが)

労災保険&介護保険

労災保険の場合、雇用者の社会保険に加入している場合には雇用者が保険料を全額負担して払ってくれていますので、当然個人負担はありませんでしたが…万一の針刺し事故のように就業中の事故や、通勤中の事故に関しては労災保険を使うことができました。

これがフリーランスになると、どのように変わるのでしょうか?

契約書によって定期的な就労を行っている場合には雇用者側がその保険料を納付しているはずですし、万一保険料を納付していなかったとしても被災労働者側はその責を負うことなく、労災保険による保証を受けることができます…ので、基本的には加入保険により労災給付に差が出るということはありません。

ちなみに、医師転職サイトでスポットのアルバイトを半日だけ行った、というような日雇いに近い契約形態でも労災の申請は可能となりますので、ご安心くださいませ。

介護保険については国保だろうと社保だろうと、なんらかの健康保険に加入する段階で40歳以上になれば自動的に保険料を徴収されるので、あまり気にせずともよいでしょう。

まとめ

フリーランス医師として生きるにあたって必ず知っておかなくてはならない、社会保障の仕組みについて紹介しました。

自分が加入する保険制度のメリットとデメリットを理解し、そのデメリットを補完するために各種制度の利用や一般商品の購入を検討する必要があります。

フリーランス医師自身がマイクロ法人を設立することで、社会保障に関する様々な問題を解決するための選択肢が増加します。現状の社会保障システムにおいては、マイクロ法人の社会保険に加入するという手段が費用対効果の面においては最善であると考えます。

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