フリーランス医に求められる能力とは

スキル&キャリア

以前、イントロとして『フリーランス医師とフリーター医師の違い』について書いた際に、フリーランス医師の定義を、【専門性や万能性、集客性などの様々な分野における医師としての傑出した能力(医師スキル)を持ち、そのスキルを評価に反映させた好条件の非常勤契約に基づいて医療活動を行う医師】としてみました。

自分も最近Twitterを始めて、医療に関する切り口の鋭い意見を数多く目にするようになった中で、非常に心を動かされた言葉がありましたが…中でも特に素晴らしかったのがピエール(@shameofirongate)先生のご意見です。

自分は時間やお金をそれほど犠牲にすることなく、しかもほぼノンストレスでスキルを身につける事ができたというラッキーな立場だったので…この価値観についてはやや希薄でした。

スキルを身につけるために犠牲があるとすれば、それに対するレバレッジの効いたメリットが無いと、スキルを身につける意味がなくなってしまいますね。

また、専門性の高いスキルだけがフリーランスへの道筋ではありません。汎用性や収益性といった観点から一般医師スキルを効率的に集約していくと、こういった形での成功をおさめることもでき、フリーランスとしても大勝ちできるだけの能力が身につきます。

今日はそういった観点を取り入れつつ、フリーランス医師として生きるために必要な能力を考えてみたいと思います。

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フリーランス医師に必要な能力

フリーランス医師、というか一般的に医師が身につけるべき能力を、その必要性に応じて3段階に分類してみました。最下段は身につけやすい(身につけるべき?)医師としての基礎的な能力で、上の段に行けば行くほど希少な能力となります。

医師としての基礎スキルや人間性

実は、人間性やコミュニケーション能力といった『社会的スキル』こそが、周囲の医師・スタッフがフリーランス医に求めるスキルであり、これが全てを通して最も重要なスキルとなります。決して契約内容や待遇、評価に直結するものではありませんが…自分にとって働きやすい環境を作るという点において重要な役割を果たします。

フリーランサーはフルタイム勤務ができない分、自分が不在の際には周囲の医師やスタッフにフォローしてもらわなくてはなりませんし、手術では手術室スタッフや助手の先生の協力といった部分が治療成績に大きな影響を及ぼしますので、周囲との良好な関係を築けるか否かというポイントは、フリーランスという働き方の核心でもあります。

医療の質と収益性・汎用性

この部分は『医師スキル』として雇用者や施設スタッフからの評価に大きく影響するものであり、以前紹介した『医師として傑出した高いスキル』とも言えます。

フリーランス医師が地道に質の高い医療を行うことで集客力を上げることも一つの手段ですが、(整形外科領域では脊椎手術や人工関節手術、リウマチ生物学的製剤に代表されるような)収益性の高い専門診を行うことによって所属施設に大きな利益を生むことができれば、個人の評価に繋がる事でしょう。

また、平均値以上のスキルを複数個習得しているような汎用性の高い医師であれば、常勤医師の勤務をサポートして彼らの負担を軽減することはもちろん、若手の指導を行うといった付加価値を示すことができます。

また、自分自身がサブスペシャリティの能力を発揮することで、前述した収益性を挙げることが可能となります。専門の細分化が進む昨今の医療環境において、幅広い領域において上質の医療スキルを有する医師というのは貴重な存在であり、高度専門性に匹敵するスペシャルな能力であると考えます。

高度専門性

そのスキルを有する人間が希少なために雇用条件は優遇され、働き口に困ることはなくなるでしょう。また、患者が医師に対して望むスキルとして比較的ニーズが高いのもこの部分です。

非常にエッジの効いた能力である一方、その能力を発揮するためには周囲のサポートが必須であることや、収益面では必ずしも病院に利益をもたらさないケースがあることには留意が必要です。

とはいえ、高度専門性を持つことができればフリーランス医に限らず、常勤医という条件でも様々な施設にて活躍することが可能となりますので、雇用面においてフリーランス医が抱えるリスクに対するセーフティネットとしてはかなり強力なアイテムとなります。

能力バランスの偏りは許容される?

前述した3つの能力をバランス良く満たすことが理想ですが、完璧な人間はそうそう存在しません。能力バランスが偏っている2つの症例を参考にしつつ、フリーランス医師が身につけるべき能力を考えてみましょう。

専門性が高い

これは大学病院や基幹病院の上級役職者に多いパターンです。

所属施設で周囲がサポートしてくれているうちは十分に力を発揮できるのですが、『医師スキル』だけを売りにしてフリーランスになると、色々とこじらせるケースをしばしば見ることが多いという典型例です(笑)

高度な専門性を突き詰めるには、それを実現させるための設備投資や人件費をはじめとして、周囲からの様々なサポートを受ける必要があります。

同僚や後輩が周囲を支えていてくれる環境ならば専門性を極めることに集中していればよいのですが、その環境を当たり前のもの、与えられて当然のものという感覚でいると、フリーランスとしては扱いづらい存在になってしまいます。

このパターンに当てはまる医師は、まずは医師スキルを活かして患者の利益を最大化することにより、雇用者や患者の評価を得る事にまず注力しましょう。

欠けている社会的スキルの部分については、周囲への気遣いや感謝を日々実践するだけでもその評価を大きく上げることができますので…実は非常に簡単だったりします。

人間性や基礎スキルが高い

これは後期研修医〜10年目くらいの医師に多いパターンですが、周囲からのサポートや評価を受け易い状況であり、すでにこの時点でフリーランス医として働きやすい環境を作ることには適した能力バランスを持っていると言えます。

患者が求めているのは医療の質や専門性ですし、雇用者が求めるのは収益性や汎用性となりますので、図において緑および青で示された要素のスキルアップに注力していけば理想的な能力バランスに近い形が実現できることでしょう。

ただ、理想の能力バランスというのは…自分が希望する勤務の形や、勤務施設やその医療環境により異なりますので、絶対的なものは存在しません。

最終的に目指す形

黄色の部分、いわゆる社会的スキルを充実させるだけでも非常勤医師として勤務を行うには十分ですし、それこそが医師として最も大切な部分ですが、職務としてはフリーター医師としての職務内容が中心になってしまいます。

将来的に非常勤勤務の枠が争われるような環境となった場合、一般の業種における人事採用と同じく、書類選考の時点で勤務の永続性や医師スキルによってスクリーニングがかけられるようになる可能性も考えられますので、まずは黄色と緑で示した部分を充実させることを心がけましょう。

今後、国民皆保険の問題や医師の労働環境の問題による様々な変化が起きることが予想されますので、そういった変化の際に働き方の選択肢を数多く持ち、柔軟な対応ができるようにするためにも医師スキルや専門性を高める必要性につき検討するべきです。

また、検討の際には自分の現状(年齢やスキル、資産背景、家族構成)やパラレルキャリアの状況、スキル取得に要する費用対効果、科目や専門における将来性の予測、医師のアルバイト市況といった様々な要素を勘案する必要があります。

まとめ

フリーランス医師が求められる能力を、周囲の医師やスタッフ、雇用者、患者といった立場の異なる人達に対するニーズとして整理しつつ紹介してみました。

フリーランス医として勤務する際に最も必要とされる能力は社会的スキルですが、今後起こりうる様々な変化に対応するための能力を高めるには、医師スキルや専門性にも注目する必要があります。

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